三重県いなべ署が年金相談列車で詐欺被害防止の広報活動

中高年を狙った還付金詐欺などを防ごうと、三重県いなべ署は、三岐鉄道北勢線が月に一度運行する「年金相談列車」で被害防止を呼び掛けている。

年金相談列車は、平成27年4月から同線が始めた全国初の試みで、列車内に設けた特設コーナーで社会保険労務士が無料相談に応じる。同署が「詐欺被害を防ぐには具体的な手口を伝える必要があり、列車では中高年に時間をかけて話をすることができる」と着目し、2月から啓発活動を開始。東員駅~阿下喜駅間に乗車した署員が、相談者や乗客が被害に遭わないよう訴えている(写真)。

活動には「振り込め詐欺ダメダメブギ」を歌う演歌歌手・中条由美さんも協力し、被害の実例や被害者心理について説明するとともに「大切な財産を犯人に取られないように」と啓発。「市役所や町役場が電話で還付金の案内をすることはない」と説明を受けた乗客は「もし、詐欺の電話があっても騙されないようにしたい」と話した。野浪署長は「具体的な被害防止対策が浸透している実感がある。きめ細やかな啓発に力を入れたい」と、今後の活動に意欲を燃やしている。