暴力団4事務所が使用禁止に 福岡地裁が仮処分命令を執行
(公財)福岡県暴力追放運動推進センターは2月4日、特定危険指定暴力団五代目工藤會傘下組織の4事務所について、使用禁止等を求める仮処分命令を福岡地裁小倉支部に申し立てた。この申立を同地裁が認定し、25日に執行官による保全執行が行われた。
今回対象となった4事務所は、北九州市小倉北区の同一マンション内に集中。同事務所の撤去を切望する付近住民等からの意見を確認したうえで、県弁護士会民事介入暴力対策委員会弁護士や暴追センター、小倉北署、本部組織犯罪対策課で協議を重ね、事務所の存在によって、付近住民等の平穏な生活を営む権利である人格権が侵害されている状況が判明した。
申立は、暴力団対策法に基づき、住民の委託を受けた暴追センターが原告となり、訴訟を行う適格都道府県センター制度、いわゆる代理訴訟制度を活用。同一マンションに集中する暴力団4事務所に対し、一挙に使用禁止等に係る仮処分命令を行った事例は全国初で、工藤會の事務所に対する同制度の活用も初めてとなる。
仮処分の主な内容は「各事務所内へ工藤會等の組員が立ち入ること」「事務所内やマンション共用部分で定例会を行ったり、組員を集合させたりすること」「当番員や連絡員を置くこと」などを禁止するもの。訴訟費用については、県や北九州市の補助金を活用し、住民負担はなかった。