臨時列車走らせ殺傷事案対処訓練 飛騨地域3署が関係機関と連携
岐阜県飛騨地域を管轄する高山・下呂・飛騨の3署は、JR東海と連携し、走行中の列車内における進行型殺傷事案の対処訓練を県内で初めて実施した。使用したのは、外国人観光客の利用が多く、テロ事件等も懸念されるJR高山線の特急ひだ号の車両。同社の協力を得て、実際に訓練用の臨時便を運行して行われた。
訓練は「JR下呂駅から出発した列車に指名手配犯に似た男が乗り込んだと通報があった」との想定で開始。途中で、車内にいた男が突然大声を出して刃物で乗客を次々と刺し、人質を連れてトイレに立てこもる殺傷事案が発生した。
車掌は指令室を通じて、車内の状況を警察と消防に通報。下呂署員が「刃物を捨てろ」などと男をけん制している間に、列車が久々野駅に緊急停車し、刺股や警棒などを手に待ち構えていた高山署員等が男を取り押さえた。その後、救急隊が乗客の容態を確認し、速やかに負傷者の搬送に当たった。