ナッジ理論で自転車盗難被害が40%減 福島県警がエビデンスに基づく犯罪抑止対策

ナッジ理論で自転車盗難被害が4割減 福島県警がエビデンスに基づく犯罪抑止対策福島県警は昨年度から有識者の知見を活用したエビデンスに基づく犯罪抑止対策を行い、大きな成果を上げている。

昨年中は犯罪科学を専門とする福島大学「地域×データ」実践教育推進室の鈴木あい特任准教授と科学警察研究所(現滋賀大学)・島田貴仁教授の協力の下、行動科学のナッジ理論を活用した自転車盗難対策の社会実証を実施。対象となった駐輪場では、自転車盗難被害が約40%減少した。

社会実証で使った看板と横断幕のメッセージは「自転車のカギを忘れずかけよう」(統制)、「この駐輪場では、90%以上の人がカギをかけています」(社会規範)、「カギかけの1秒が自転車を守ります」(コスト認知)、「いつもカギをかけていただきありがとうございます」(互恵性)の各4種類で、いずれもナッジ理論をベースに考案。自転車盗難被害が多発している7署管内の駐輪場14カ所に昨年8月下旬から11月末まで取り付け(写真)、設置前後の施錠率と被害件数の差分を分析した。